頭痛には様々な痛み方や痛みが出現するペース、頭痛に伴う症状があるかと思います。頻繁に頭痛が起こるという方は、頭痛が現れた時のために鎮痛剤などの薬を常に持ち歩いたり、リラックスできるマッサージグッズなどを持ち歩くなどの自分なりの対策を取っているという方も多いでしょう。
そこで今回は、頭の右側に集中して起こる頭痛について、原因はもちろん症状や対処法まで詳しくまとめてみたいと思います。
頭痛で右側が痛む原因は?
頭痛が出現した時に「また右側だ…」と、右側ばかりに出現する頭痛に悩まされている方は結構多いのではないでしょうか。
頭の右側だけ痛い場合、痛みの程度や頭痛以外の随伴症状にもよりますが、右側の頭痛で一番考えられるのは【片頭痛】です。
片頭痛以外にも頭の右側が痛む病気として群発頭痛・緑内障・三叉神経痛などの可能性も考えられますので、片頭痛はのちほど詳しく触れるとしてこの3つについてここで少し触れておきますね。
群発頭痛
様々な種類の頭痛の中でも群発頭痛は最も痛みが激しい事で有名です。
原因はわかっていませんが20~40代の男性に多く群発地震のように一定期間に集中して頭痛が起こり、耐えがたい痛みを伴う事がわかっています。
群発頭痛の特徴は以下の通りです。
- 毎日決まった時間に頭痛が起こる
- 1~2ヵ月続く
- 決まってどちらかの側頭部に痛みが現れる
- 目を刺されたような目の奥に激痛を感じる
- 深夜1時~3時頃にかけて痛みが出現するため眠られない
深夜に頭痛が起こると、働き盛りの男性にとっては睡眠不足を引き起こし仕事に集中できない環境になり兼ねません。それが続くと精神的なダメージやストレスを抱える事にもなりますよね。
群発頭痛の治療法は純度100%の酸素吸入と薬物療法があります。
市販されているような鎮痛剤は気休めにしかならない事が多いため、医療用酸素ボンベを病院などを通じてレンタルし自宅で酸素を吸入する治療が一般的と言われています。
群発頭痛の誘因となるアルコールやタバコを控えたり、気圧の変化を感じやすい飛行機などでの旅行を避けるなど、日常的に自分で予防できる事はするようにしましょう。
緑内障
緑内障とは、視神経が圧迫・障害される事で視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする病気で、治療が遅れると失明するケースもある恐ろしい病気として知られています。視神経が圧迫される際に、神経の痛みを伴うため、これが頭痛として現れる事があります。
緑内障には急性緑内障と慢性緑内障があり、ほとんど自覚症状がないまま進行していきますが、急性緑内障の場合は急激に眼圧が上昇する事で目の痛みや目のかすみ、くも膜下出血のような激しい頭痛、嘔気などが現れます。
また、慢性緑内障の場合は、頭痛の他に肩こりのような症状が現れる事もありますが、急性緑内障と比較すると特徴的な症状が少ない事から発見が遅れるケースが多いようです。
緑内障は1度視神経に障害を起こしてしまうと元には戻らない病気なので、早期発見・早期治療のため自覚症状がなくても40代を目安に検査を受ける事をオススメします。
三叉神経痛
三叉神経は、顔に分布していて主に知覚を支配する神経の事で、三叉神経に沿って発作性の痛みが起こる事を三叉神経痛と言います。
電気が走るような、雷が落ちたような痛みと表現されるくらいの激しい痛みがあります。
三叉神経痛の特徴は、顔の片側に発作的に数秒~数分の激痛が繰り返し続きます。
顔の片側に痛みを伴う事で頭痛として認識される事もありますが、鼻や副鼻腔の炎症や脳腫瘍などが根本的な原因になっているケースもあるため、適切な診断と治療を受ける必要があると言えますね。
頭痛でこめかみや耳のあたりが痛む原因は?
頭の右側だけが痛む場合、片頭痛の可能性が高いとお話してきましたが、特に右側のこめかみや側頭部にかけてズキズキと痛む場合は片頭痛かどうか簡易的なチェックをしてみると良いと思います。以下を参考にして下さいね。
片頭痛の特徴
片頭痛にはいくつかの特徴がありますので、自分に当てはまるかチェックしながら見てみて下さい。
- 右側にだけ頭痛が出現する
- 20~40代の女性
- 月1回~数回のペースで頭痛が起こる
- 数時間~3日間頭痛が続く
- 動く事で症状が悪化する
- ズキズキ、ガンガンのように拍動する頭痛がある
- 横に(寝ている)なっていると楽
- 頭痛が辛くて日常生活にも支障をきたす
- 嘔気、嘔吐を伴う
いかがでしたでしょうか。3つ以上当てはまった場合は片頭痛の可能性が高いので、自己判断で我慢せずに1度医療機関を受診してみても良いかも知れません。
具体的な片頭痛の原因は何かと言うと、セロトニンという物質が影響しているという説などがありますが現時点で詳しい原因は不明となっています。
ですが、原因は不明でも片頭痛の誘因はいくつかありますのでそれについても紹介しておきたいと思います。
- 環境によるもの:天候や気圧による影響、温度差(旅行)、におい
- 月経周期
- 食事:空腹(ダイエットなどの食事抜き)、アルコール
- その他:喫煙、運動、光の影響
「片頭痛かな?」と思った時は、まずこの誘因をできるだけ排除したり、リラックスできる環境を整えておくと症状を悪化させずに済むかも知れません。
それでも頭痛が治まらない場合は、我慢せずに専門の医療機関を受診するようにしましょう。
頭痛が右側に現れた時の対処法は?
頭痛が右側に現れた時はどうしたらいいのでしょうか。
頭痛が起こってしまったからにはどうする事もできずに自然に任せているという方も多いと思いますが、ここでいくつか対処法をまとめておきたいと思います。
頭痛と言っても右側だけ特別に痛い場合や、毎回右側しか痛まない場合は「右側に存在する何か」が原因になっているのではないかと疑ってしまいますよね。
でも頭痛の場合は「右側に何かがあるから」という理由だけで特別に起こる事はまずありません。
側頭部だけに症状が出るものがたまたま右側に起こるという可能性はあり、右でも左でも側頭部だけの痛みは起こりえるという事になります。
では右側に起こる頭痛に対して考えられるものから1つずつ対処法を紹介していきますね。
- 片頭痛
- 先程も触れましたが、片頭痛の場合は医療機関の受診によって改善するケースが多いです。
ですが、生活習慣が直接的な原因になっている事も多いため、無理のない範囲で適度に運動するようにしたり、ストレスを溜めない、良質な睡眠を取るようにするなど自分でできる事はしていきましょう。
痛みに対しては薬が有効なので、薬で症状を抑えつつ少しずつ生活習慣を見直していくと自然と症状も改善されるかも知れません。
- 先程も触れましたが、片頭痛の場合は医療機関の受診によって改善するケースが多いです。
- 群発頭痛
- 片頭痛と比較すると群発頭痛の原因は未だ不明で、発症する人の数も少ない事が言えますが、上記で挙げた特徴に一致する場合は1度医療機関を受診し、薬を処方して貰うと良いと思います。
- 顎関節症
- 右側のこめかみ付近の痛みとして顎関節症も考えられますね。顎の関節の歪みなどで起こる事がわかっています。
対処法としては、固い食べ物を食生活に取り入れるようにしたり食事の際は偏らないように意識して左右バランスよく噛むようにする事が大切です。
- 右側のこめかみ付近の痛みとして顎関節症も考えられますね。顎の関節の歪みなどで起こる事がわかっています。
- 筋緊張性
- 首や肩の筋肉の緊張が頭痛を引き起こす原因になる事もあります。長時間同じ姿勢を取ったりデスクワークの方に比較的多い頭痛です。
対処法は簡単で、筋肉の緊張をほぐす事で頭痛が改善されます。
同じ姿勢を取らざるを得ない状況でも定期的に休憩を入れ、首や肩中心にストレッチやマッサージを行うと効果的です。
温める事も有効なのでいつもより時間をかけて湯船につかるようにするだけでも効果を感じられるかも知れません。
- 首や肩の筋肉の緊張が頭痛を引き起こす原因になる事もあります。長時間同じ姿勢を取ったりデスクワークの方に比較的多い頭痛です。
頭痛は何科を受診するべき?
一般的に「頭痛=脳神経外科」という認識を持っている方は多いですよね。
頭痛で受診する場合、脳神経外科も間違いではありませんが、他の症状によって対応も変わってくるため近くにある場合は【頭痛外来】を受診すると良いでしょう。
頭痛外来では言うまでもなく頭痛を専門に診ていますので、頭痛の部位や程度・頭痛以外の症状など様々な角度から診察・判断してくれます。
そして様々な頭痛に対しての治療を行ってくれますので症状改善への近道とも言えるでしょう。
ですが「近くに頭痛外来がない!」という場合も焦らなくて大丈夫です。神経内科や脳神経外科を受診してもきちんと診察を行ってくれます。
また、定期的に内科などの他の科を受診している場合に担当医に頭痛の事を相談すると鎮痛剤などを処方してくれるケースもありますが、ある程度内服をしても症状が改善しない場合は専門的な他科受診も必要かも知れません。
どの医療機関を受診したとしても、緊急性がある場合は専門の病院へ紹介してくれたりなどの対策を取ってくれますので迷わず安心して医療機関を受診するようにしましょう。
ちなみに私は医療機関で働いていますが、整形外科でも内科でも脳神経外科でも同じ薬を処方してくれますので希望の薬がある場合は担当医に伝えてみても良いかも知れないですね♪