誰でも1度は頭が痛くなった経験をした事がありますよね?ジワーっと痛い頭痛もあれば、日常生活がままならないくらいズキズキ痛む頭痛もあり、痛みの程度や頭痛が出現する頻度は人それぞれと言えるかと思います。
頭が痛くなるとその日の気分まで落ち込んでしまったり、楽しい事も台無しになってしまう事もあるでしょう。そこで今回は、「頭が痛くなった時にどう対処したらいいの?」「頭痛の時に飲んだり食べたりした方が良いものはある?」「頭痛に効果のあるツボを押したりお風呂に入るのは大丈夫?」などの、頭痛が起こった時の疑問に答えつつ、頭痛に効果的な対処法を紹介していきたいと思います。
頭が痛い!まず何をするべき?
頭痛がすると「頭痛がしてきた…最悪だ」と、まず思うのではないでしょうか。中には頭が痛くなりそうなのを事前に予感する方もいるようですね。頭が痛くなっても諦めてそのまま放置するのではなく、頭痛を少しでも軽減させるために、頭が痛くなり始めた時にすぐに自分でできる対処法は何かないのでしょうか。
頭痛の種類にもよりますが、一般的な頭痛に対する対処法は以下が有効とされています。
- ストレッチ
- 気分転換
- 鎮痛剤の服用
- 暗い場所などで休憩や仮眠を取る
- 痛い部位(肩や首など)を温める
もちろん頭痛によって対処法は違ってきます。そのためにはまず自分の頭痛はどんな頭痛なのかをはっきりさせる事も大切と言えますね。簡単に説明すると頭痛の種類によって対処法は以下のようになります。
緊張型頭痛
頭痛の中で一番多いのがこの【緊張型頭痛】です。緊張型頭痛の場合は固まってしまった筋肉の緊張をほぐす事が大切なので、首や肩を中心に温タオルで温めたりストレッチやマッサージを行うと頭痛が軽減されるケースが多いです。
片頭痛
片頭痛の頭痛はすぐには治らないと思っている方も多いと思いますが、それは対処法が間違っているからかも知れません。片頭痛の場合は緊張型頭痛と違って、温めたりストレッチやマッサージを行うと返って頭痛を悪化させてしまう事があるんです。
片頭痛の場合は、痛む部位を中心に冷やしたり暗く静かな部屋で横になって休息を取る事が効果的とされています。
群発頭痛
頭痛の中でも稀な群発頭痛の場合の対処法は、日常生活の見直しにあります。頭痛を引き起こす喫煙や飲酒を控える事が頭痛を起こさない近道となるとされています。
頭が痛い場合は脳神経外科?
定期的な頭痛に悩まされている方にとって「自分の頭痛はどんな頭痛なのか」という疑問は絶対持つはずです。同時に、医師にきちんと確定診断して貰おうと思った場合「病院を受診するにも何科を受診するべきなのか」悩む方も多いのではないでしょうか。
先に答えを言ってしまうと、頭痛を診察して貰いたい場合は【頭痛外来】がオススメです。言うまでもなく頭痛を専門に診ている診療科なので、様々な頭痛や症状に対していくつもの治療法を提示してくれるのが強みなのではないでしょうか。
また、頭痛で脳神経外科を受診するのも間違いではありませんが、脳神経外科の場合は脳に異常がないかをまず診察するため、緊急性があるかどうかを判断してから必要に応じた検査を行う…という場合が多いかと思います。
そのため、緊急性がない場合や脳に異常が認められない場合の頭痛に対しては応急処置として鎮痛剤が処方されただけだった…という方も結構いるようです。ちなみに私が脳神経外科で働いていた時の話を少しすると、頭痛を訴え受診した2人の患者さんがいるとします。
1人の患者さんは「もやっと頭が痛い、たまに痛い」という訴えで、もう1人の患者さんは「火花が散ったような、心臓と同じくズキンズキンと拍動するような痛みで吐き気がする事もある」という訴えでした。明らかに後者の方の訴えが具体的で、医師も片頭痛なのではないかという診断を付けやすい訴えと言えますよね。
逆に1人目の訴えは医師にとっても「そこまで切羽詰まった痛みではないんだな」と判断されやすい訴えと言ってもいいですよね。患者さんの訴えから医師も判断する事が多いので、脳神経外科を始めとして頭痛外来以外の診療科を受診する場合は、自分の頭痛について詳しく担当医師に伝える事も大切と言えます。きちんとした診断ができた場合は的確な治療を受ける事ができますので、参考までに医師に伝えるべき内容を載せておくと以下の通りです。
- 頭痛の程度、頭痛の部位(嘔気はあるのか、頭全体が痛いのかなど…)
- どんな時に頭痛が起こりやすいのか
- 自分の生活環境について(デスクワークが多い、飲酒・喫煙をするかどうかなど…)
- 普段飲んでいる薬や通院歴
軽視できない頭痛は?
頭痛が起こると「少し横になって休もう」「頭痛が治まるまで様子をみよう」と思う方も多いと思いますが、普段と違う頭痛と感じた場合は注意が必要です。上記で少し脳神経外科のお話をしましたが、脳に異常があって頭痛が起こっている場合は一分一秒を争う事態になり兼ねません。
自分だけでなく同居している家族にも言える事ですが、普段と少しでも様子が違う場合は病院受診するに越した事はありません。
ちなみに脳神経外科を受診する目安として、普段の頭痛よりも痛みが強い場合や頭痛だけでなく嘔気や嘔吐を伴う場合、さらに意識障害や四肢の痺れや麻痺・視覚障害を伴う場合などは脳に異常がある確率が高いため、すぐに救急車などで脳神経外科を受診するようにしましょう。
頭が痛い時に食べる(飲む)と良い物は?
摂取する食べ物によって頭痛が誘発されるケースがある事をご存知でしょうか。ここでは頭痛を誘発する可能性がある食べ物と頭痛を抑えてくれる効果がある食べ物についてまとめておきたいと思います。
頭痛を誘発すると言われる食べ物
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アスパラギン酸が含まれる食べ物
アスパラギン酸は脂肪の燃焼を助ける働きがある事で知られているかと思いますが、同時に血管を拡張する作用もあります。そのため、たくさん摂取する事で片頭痛を引き起こすリスクが高まる事がわかっています。具体的にはダイエット食品に多く含まれているようです。アスパラギン酸の100g当たりの含有量が多い食品です。なんとなく、傾向が感じ取れます。
- かつおぶし 7200 mg
- こうやどうふ 6300 mg
- ゼラチン 5500 mg
- きな粉 4400 mg
- だいず 4400 mg
- あまのり 3500 mg
- ピーナッツ 3400 mg
- さらしあん 3000 mg
- こむぎはいが 2900 mg
- リョクトウ 2900 mg
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ポリフェノールが豊富に含まれる食べ物
ポリフェノールは適量を摂取する分には身体に良いとされていますが、血管拡張作用があるため片頭痛のある方は症状が出やすくなる傾向にあります。具体的な食品は赤ワイン・オリーブアイル・チョコレートなどがあります。
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チラミンが含まれている食べ物
チラミンはポリフェノールと逆で、血管収縮作用があります。そのため、片頭痛などの頭痛を引き起こすリスクが高まります。代表的な食品は、チーズや玉ねぎ・ピーナッツバター・イチジクなどがあります。
頭痛を抑えてくれる食べ物
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ミネラル・マグネシウムが含まれる食べ物
マグネシウムは便通の改善にも効果がある事がわかっていますが、血管を緩める作用があるため摂取する事で片頭痛に効果的と言われています。マグネシウムが多く含まれる水も売られていますし、アーモンドや豆腐・ひじきや納豆にもマグネシウムは多く含まれています。また、ミネラルが豊富なトマトやきゅうり・スイカは脱水症状からの頭痛に効果的です。
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ビタミンB2が豊富な食べ物
ビタミンB2は美容の面で注目される事が多いかも知れませんが、血圧を下げる効果がある事もわかっています。具体的な食材はヨーグルト・牛乳・ほうれん草・レバー・豚肉などがあります。
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オメガ3Sを含む食べ物
炎症からくる頭痛に効果的とされるオメガ3Sを多く含む食材は、主に鮭やイワシなどの魚類があります。
いかがでしたでしょうか。頭痛を誘発させたり軽減させる効果がある食材があるなんて知らなかったという方も多いと思いますので、是非参考にして毎日の食事に役立ててみて下さいね。また、食べ物だけでなくコーヒーやお酒など、頭痛が起こっている時に飲んでしまうと症状を悪化させる可能性がある飲み物もありますので、頭痛時は極力飲むのを避け温かいお茶や白湯などの身体に優しい飲み物を飲むようにした方が無難と言えます。
頭痛にツボ押しは効果あり?お風呂は入っても大丈夫?
頭が痛い時に、頭やこめかみを無意識に押しているという方も多いはずです。これは痛みの部位を刺激する事で血行が良くなる事を身体が本能的にわかっているからだそうです。ですが、むやみに痛いところを押しても頭痛に効果があるのか気になるところですよね。
そこでここでは「ツボを押す事で頭痛は軽減されるのか」についてと、頭痛が出現した時に「気分転換も兼ねてお風呂に入ってもいいのか」について調べてみました。
→ツボ押しで頭痛は軽減する?
答えは【緊張型頭痛には効果がある】です。長時間同じ姿勢をとったり細かい作業をした後は筋肉が緊張しています。筋肉が緊張すると周辺の血管が収縮してしまい、酸素が行きわたらなくなってしまいます。
筋肉の緊張をほぐし血行を促進するためにも、ツボを押して刺激する事が頭痛の軽減に繋がる事がわかっています。詳しい部位については別にまとめてありますのでそちらを参考にして下さい。
→頭痛出現時の入浴は問題ない?
頭が痛くなった時に、気分転換も兼ねて入浴しようと考える方もいると思いますが、入浴する事で頭痛の症状が増悪したら…と不安になる場合もありますよね。入浴してもいいのかについて調べると、これも頭痛の種類に左右される事がわかりました。
入浴をすると血管が拡張し、全身の血流が良くなります。そのため、血行不良による頭痛(緊張型頭痛)には入浴が効果的と言えますが、血流が促進される事でかえって頭痛がひどくなってしまうケースもありますので注意が必要です。
また上記でも少し触れましたが、頭痛以外に症状がある場合(脳に異常がある確率が高い場合)は、自己判断で入浴するのではなく病院受診を優先させた方が良いと思います。入浴する事で頭痛だけでなく、他の症状まで悪化してしまったり、最悪の状況は入浴したまま意識消失…という状況にもなり兼ねません。