子供が頭痛を訴えると、痛みの程度がわからずとりあえず「大丈夫、大丈夫」と楽観する場合もあれば、慌てて「すぐに病院へ連れて行こう!」と行動する場合もありますよね。
確かに子供が頭痛を訴えた場合は、痛みの程度などを知るためにもしばらく様子をみても良いと思いますが、頭痛に伴って嘔気や嘔吐などの症状が出現していると焦るのではないでしょうか。
そこで今回は、判断が難しい子供の頭痛の原因をまとめつつ、対処法について書いていきたいと思います。
病院受診の目安なども載せておきますので、参考にして下さいね。
子供の頭痛の原因は?
子供の頭痛の原因は様々で、様子をみているうちにケロッと治っている場合もあれば、長く続くような危険な頭痛もあります。
頭痛を引き起こしている原因がわかると落ち着いて対処もしやすいと思うので、考えられる原因についてまとめてみました。
子供の頭痛の原因
頭痛は訴えるが発熱はない場合に考えられる原因
- 偏頭痛
- 頭部外傷による頭痛
- 脳腫瘍
ストレスが原因による頭痛
- 緊張型頭痛
頭痛に伴い発熱がある場合に考えられる原因
- 風邪やインフルエンザなどの感染症による頭痛
- 中耳炎
- 慢性副鼻腔炎
- 髄膜炎
- 急性脳炎
次は、タイトルにもあるように本題の「頭痛に伴って嘔気や嘔吐があり、発熱がない場合」について詳しく掘り下げたいと思います。
上記に考えられる頭痛の原因を載せましたが、この中で嘔気や嘔吐の症状が出ていて発熱がないものは、偏頭痛・頭部外傷・脳腫瘍・緊張型頭痛に絞られると思います。
頭部外傷は原因がはっきりしていますし、傷によっては熱が出る可能性もありますので、病院を受診すると安心でしょう。
また、脳腫瘍が疑われる場合は画像診断などの精査をしなければわからないので病院受診が必須ですし、急に症状が出る事は稀かと思います。
となると、頭痛に伴って嘔気や嘔吐があり、発熱がない場合に考えられる原因は【偏頭痛】と【緊張型頭痛】に絞られてくるかと思いますので、次は子供の偏頭痛と緊張型頭痛についてまとめますね。
子供の偏頭痛と緊張型頭痛について
では、子供の偏頭痛と緊張型頭痛についてそれぞれまとめますね。
子供の偏頭痛について
偏頭痛は大人の病気かと私は思っていましたが、子供でも偏頭痛を発症する場合があるんですね。
どうして子供でも偏頭痛になってしまうのかと言うと、ストレスや睡眠不足が大きく関わっている事がわかっています。
また現代では、スマホやゲーム、テレビなどの光や音も原因になっている事があるので、この場合は時間を制限して症状が続くか確認してみると良いですね。
大人の偏頭痛の場合は、頭痛の持続時間が長く、半日から1日以上続く事が一般的ですが、子供の偏頭痛は頭痛を訴えてから1時間程度で症状が軽快する事が多く、朝に頭痛を訴えたとしてもすぐにケロッとしている事があります。症状は大人と同じで、発作的に脈打つようなズキンズキンとした痛みが特徴です。
そのため子供の偏頭痛の対処法としては、頭痛を訴えた時に眠りやすい暗く静かな部屋で休ませるのが1番と言えるでしょう。
この時に痛みの部位を直接アイスノンなどで冷やすともっと効果的です。
子供の緊張型頭痛について
現時点で緊張型頭痛のメカニズムは明確にわかっていませんが、頭が締め付けられるように痛むのが緊張型頭痛の特徴で、頭や肩、首の筋肉の緊張やストレスが原因と考えられています。
特に子供の緊張型頭痛は、家庭環境・学校生活での人間関係やいじめ・勉強に対する悩みなどの心理的な要因が関係していると考えられ、慢性化すると日常生活や学校生活に支障をきたし、治療にも時間がかかってしまうケースが多いようです。
子供の緊張型頭痛で大切な事は、子供の訴えに耳を傾け【痛みを認めてあげる】事です。心配されたり、話を聞いてくれた安心感によって痛みが軽減するケースもあります。
登校前に頭痛を訴えた場合はとりあえず休ませ、頭痛が長引いたり、学校に行けない事が多い場合は、早期に子供の頭痛を専門的に診てくれる医師や学校の先生に相談するようにしましょう。
→子供は大人と違って、自分の症状や程度をうまく伝えられない場合が多いので、例え子供が「お腹が痛い」と言ったとしても、頭痛など他に痛む部位はないのか聞いてあげると痛みの程度や部位がはっきりわかる可能性もあるので、訴えをしっかり聞いてあげて下さいね。
また、暑い時期に起こりやすい頭痛もあります。発汗による水分の循環不足(脱水)・気温の変化によって頭痛が引き起こされている可能性もありますので、子供の様子を観察して下さい。
病院受診の目安は?受診までに薬は飲ませても大丈夫?
子供が頭痛を訴えた時にすぐに病院へ行っても間違いではありませんが、病院に到着した頃には症状が軽快しているケースも少なくありません。
そのため、病院を受診する目安があればわかりやすいかと思ったので、載せておきますね。
- 頭痛以外の症状がある(発熱・嘔気、嘔吐など)
- 意識障害がある
- 普段の痛み方より痛がり方が強い
また、病院を受診すると医師に症状についての質問をされると思いますので、事前に把握しておく必要があると言えます。
頭痛が起きた時の時間や部位、痛みの程度や他の症状などについて把握しておくと病院を受診した際に慌てて思い出さなくて済みますよ。
そして病院受診までに少しでも痛みが和らぐように、薬を飲ませてもいいか疑問に思う方も多いと思います。
薬を飲ませても問題はありませんが、内服した薬の種類やいつ内服したのかなど、薬を飲んだ場合は受付など診察前に伝えるようにしましょう。
薬を飲ませるにしても、どんな薬が良いのかわからないという場合は、アセトアミノフェンが含まれる小児用のバファリンなどがオススメです。
逆に、子供に使用しないように言われているのが【アスピリン】系の薬です。
アスピリンは大人の鎮痛剤によく含まれていますが、子供が内服すると嘔吐や意識障害を引き起こす可能性があるため避けましょう。
いざという時のために事前にアセトアミノフェン系の薬を購入しておくと良いと思います。
子供の頭痛の予防法はあるの?
子供の頭痛を予防するために、何か方法はないか調べてみましたので参考にして下さい。
生活リズムを見直す
生活リズムを見直すと言っても、具体的にはどんな事かと言うと、規則正しい良質な睡眠を取るように生活のサイクルをつけてあげたり、朝食をしっかり摂取するような当たり前な事が大切なんです。生活リズムが乱れやすい夏休みや冬休みでも意識してあげましょう。
スマホやゲームの時間を制限
子供は楽しい事をする場合、時間を忘れて熱中しますよね。全くしないように制限するよりは、毎日時間を決めてあげるだけで毎日の生活にメリハリもつきます。最初は嫌がるかも知れませんが、慣れてくるとそれが当たり前になってくるので試してみて下さいね。
普段の姿勢を意識させる
スマホやゲームをしていると、どうしても長時間同じ姿勢になりがちです。猫背になってしまう子供も多いですよね。
そんな時は、途中で体勢を変えるように言ったり、定期的にストレッチを促す事も大事です。子供はどんなストレッチをしたらいいのかわからないと思うので、気分転換も兼ねて頭から首、肩にかけてゆっくり動かすように指導してあげると良いでしょう。