日本人の約3000万人が肩こりに悩まされているという統計が出ているほど、肩こりは誰にでも起こる可能性があると言えます。肩こりによって様々な随伴症状も現れますが、そもそもどうして肩こりは起こってしまうのでしょうか。
そこで今回は、肩こりの原因や症状に触れながら、症状の1つである肩こり頭痛について深く掘り下げ、肩こり頭痛に効果のある薬や解消法・予防法などについても紹介していこうと思いますので、是非最後までお付き合い下さい^^
肩こりとは?原因や症状について
肩こりとは、自覚する症状に個人差はあるものの、肩周辺の痛み・こり・張り・こわばり・重ダルさ・違和感・つっぱり感などの総称で、明確な定義がないのが現状です。肩こりは日本人に多いとされていて、欧米では肩こりという概念がないというから驚きですよね。
肩こりはなぜ起こるのかと言うと、肩の周辺の筋肉(首の後ろから背中にかけてある僧帽筋)に負担がかかったり、筋肉が緊張する事で筋肉内の血流が悪くなり筋肉の柔軟性が失われて硬くなると起こりやすくなります。
一般的な肩こりの原因は数えきれないほどありますが、いくつか抜粋して紹介しますね。
肩こりの原因
・長時間の同姿勢、姿勢の悪さ
・運動不足
・冷え性
・なで肩
・精神的ストレス
・眼精疲労
この中でも「長時間の同姿勢」「運動不足」「眼精疲労」「ストレス」は、肩こりの4大原因と言われています。肩こりを放置していると良い事は1つもありません。むしろ放置する事によって、肩こりによる随伴症状を引き起こし兼ねないので、肩こりからくる症状についても触れておきますね。
肩こりからくる症状
肩こりを放置していると、体内の生命維持に欠かせない自律神経の乱れにも繋がるので、「たかが肩こり」と軽視するのは止めましょう!肩こりからくる症状に併せて自律神経が乱れる事で起こる症状もまとめて紹介しますね。
- 緊張型頭痛、偏頭痛
- 嘔気、嘔吐
- 頚部痛
- 眩暈
- 手足の痺れ
- 冷え性
- 微熱、免疫力の低下
- 慢性的な疲労感や重ダルさ
- 不眠、睡眠不足
- ドライアイ、ドライマウス
- 疲れ目(目のかすみ、ぼやけ)
- 胃腸障害
肩こりが原因で出現する症状について一部を抜粋しましたが、該当する項目が多ければ多いほど重症な肩こりかも知れませんね。肩こりがこんなに様々な症状に繋がるとは思ってもみなかったという方は多いのではないでしょうか。では、次に本題の肩こりからくる頭痛についてまとめたいと思います。
肩こりから頭痛が起こるメカニズム
肩こりは、肩周辺の筋肉が緊張する事で筋肉内の血流が悪くなり筋肉の柔軟性が失われて硬くなる事で起こると説明してきました。肩の筋肉にこりが生じて、肩の血流が悪くなると、脳血管の血流も悪化する事がわかっています。
出典:http://www.zutsu0.com/genin-katakori.html
もっと具体的に説明すると、脳は大量の血液が必要なため、首には左右で4本もの動脈が通っています。肩の筋肉が過度に緊張すると、首の動脈を圧迫して血流が悪化し、脳に充分に血液が送られなくなり、静脈に血液が溜まる「うっ血」を起こす事で、酸素不足が起こり頭痛や眩暈を引き起こすというメカニズムです。
頭痛が軽ければ緊張型頭痛の可能性が高く、日常生活に支障をきたすほどの頭痛の場合は偏頭痛の可能性が高くなります。
肩こり頭痛が起こった時の解消法と予防法
肩こりによる頭痛を解消するためには、充分な栄養を摂ってしっかり休息し、疲れやストレスを無くす事が大切と言われていますが、なかなか実践するとなると難しいのではないでしょうか。そこで、今日からでも始められる肩こり頭痛の解消法と予防法を紹介したいと思います。
肩こり頭痛の解消法と予防法
〇マッサージ&ストレッチ
長時間同じ姿勢を取らなければならない場合でも、1時間に1回は休息を取って身体を動かすようにしましょう。特に肩周辺の筋肉と目周辺の筋肉を動かすように意識すると効果的です。
〇肩や目を温める
入浴する際は肩までしっかり浸かり、普段より長めに入浴すると血行改善に繋がります。また、目が疲れたと感じた時は蒸しタオルで目を温めるのも効果的です。ここで注意して貰いたいのは、温める行為は緊張型頭痛には効果的でも、偏頭痛には逆効果という事です。偏頭痛持ちの方は温めるよりも痛みの強い部位を冷やすようにしましょう。
〇肩こり頭痛に効くツボを押す
頭痛に効果があるツボを知っておいて損はないはずです。ツボを知っておくといつ、どこでも押す事ができますもんね。肩こり頭痛に効くツボはこちら
〇十分な睡眠を取る
充分な休息を取るには、睡眠が1番です。目の疲れを取るにも睡眠は効果的です。ですが、寝すぎてしまう事で頭痛を引き起こし兼ねませんので、自分に合った寝具を使い眠りやすい環境を整えるなど、良質な睡眠を取るように心がけましょう。
快適な睡眠を取る為に自分にあった枕は必需品です。私は高反発枕を利用しています!めりーさんの高反発枕を購入する
〇ストレスを溜めない
全くストレスを溜めない事は難しいかも知れませんが、ストレスを感じた時に趣味に没頭したり、カラオケや旅行に行くなど自分なりの解消法を見つけておくと良いかも知れません。
肩こり頭痛に効果がある薬は?
薬を飲む事は肩こりの根本的な解決にはなりませんが、一時的に痛みを和らげる効果があります。日常生活に支障をきたさなないためにも臨機応変に使うようにしましょう。薬と言っても作用は多岐に渡るので、すぐに手に入れられる市販薬を簡単に紹介しますね。
*筋弛緩薬系…こり固まった筋肉の緊張を緩める
・小林製薬 コリホグス
・タケダ ドキシン錠
*血行促進、血流改善系…筋肉のエネルギー代謝低下や末梢神経の圧迫、損傷などの改善
・エーザイ ナボリンS
・コーワ キューピーコーワiプラス
・タケダ アクテージSN錠
・タケダ アリナミンEXプラス
・サトウ製薬 ユンケルB12アクティブα
*鎮痛剤系…根本的解決にはならないが痛みをすぐに取る
・第一三共ヘルスケア ロキソニンS錠
・ライオン バファリンA
・エスエス製薬 イブクイック頭痛薬DX
*漢方系…安全性に特化
・ツムラ 葛根湯(かっこんとう)
・ツムラ 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・ツムラ 大柴胡湯(だいさいことう)
*塗り薬&貼り薬系…痛みやこりがある部分にダイレクトに効く
・ニチバン ロイヒつぼ膏
・ノバルティス ボルタレンEXテープ、ボルタレンEXゲル
・小林製薬 ニューアンメルツヨコヨコA
・小林製薬 塗るズッキノン軟膏
・ピップ ピップエレキバン130
薬を使用する場合は、副作用に注意しましょう。また、市販薬で効果が感じられない場合や、専門的な治療を希望する場合は病院受診をオススメします。
肩こり頭痛は何科を受診するべき?
肩こりで病院を受診するのは恥ずかしいとか、肩こりくらいで病院なんて…と思っている方は意外と多いようですね。ですが、病院で働いていると結構肩こりに悩んで受診される患者さんは多いんですよ。どの患者さんも肩こりを放置した結果、様々な随伴症状が現れ、自分だけでは手に負えなくなって受診…というケースが多いので、私は肩こりが気になり出した時点で受診する事をオススメしています。
病院を受診したくても、何科を受診するべきなのか迷ってしまうケースもあると思いますので、診療科に分けて紹介したいと思います。
〇整形外科
肩こりで整形外科を受診できます。鎮痛剤の処方はもちろん、リハビリを受けたり質問すると肩こりに有効なストレッチの方法なども教えてくれますので、受診した際はパンフレットなどを貰ってくると良いかも知れません。問診や検査結果によって他の疾患が潜んでいた場合は、他の専門科を紹介してくれますので、まず整形外科を受診するのが間違いないと思います。
〇神経内科
肩こりだけでなく、頭痛をはじめとした眩暈やふらつき、手や腕の痺れなどの症状が現れている場合に神経内科を受診するケースもあります。上記の症状は整形外科でも診察可能ですが、神経系に不安がある方は神経内科を受診しているようです。
〇脳神経外科
肩こりというよりも、激しい頭痛が起こっていると脳神経外科を受診しようと考えますよね。脳神経外科では脳に関わる検査がメインとなりますが、肩こりも診察してくれるので安心して下さい。肩こりよりも頭痛や手足の痺れや脱力感などがあるかどうか診察されるケースが多いと思いますが、頭の病気は怖いのでできる検査はしておくに越した事はないでしょう。