いざという時のために、手元に置いておきたい常備薬の中に頭痛薬があるかと思います。みなさんは頭痛薬をどこで購入していますか?また、購入する際はどんな基準で選んで購入を決めていますか?
頭痛薬と言ってもたくさんの薬が市販されているので、購入する時はいつも迷ってしまう…という方も少なくないかと思います。そこで今回は、市販されている頭痛薬の種類や選ぶ時のポイント、注意点などについてまとめてみたいと思います。あなたに合った頭痛薬に巡り逢えるように、是非参考にして下さいね♪
頭痛に効果がある成分と市販されている種類について
市販されている頭痛薬にはたくさんありすぎて、どれを購入したらいいのかわからない…という方も多いのではないでしょうか。成分を知っておくと頭痛薬を選ぶ時に役に立つと思いますので、市販薬名と一緒に紹介しますね。
ただ、頭痛薬を始めとした解熱鎮痛薬は、その名の通り熱を下げ痛みを抑える効果がありますが、熱が出るという事は病原微生物(炎症)炎症に対して、身体が自分の免疫能力で対抗しているという事を意味しますので、本来は熱を下げるべきではないと言われています。
そのため、むやみに鎮痛剤を使用するのは控えるべきですが、発熱や痛みによって体力が消耗したり、倦怠感などによって日常生活に支障をきたす事もありますよね。そんな時に解熱鎮痛剤を用いて痛みを抑え、症状を軽快させる必要が出てくるかと思います。
消炎作用や抗炎症作用にも同じ事が言え、身体の免疫能力を補助する意味で使用するのがベストという事になります。本来人間の身体は、炎症に対する免疫を十分に備えていますが、休みたくても休めず思うように休息できない場合などに補佐的な意味合いで使用するのが良いという事が前提となります!
- ロキソプロフェンナトリウム
- 解熱・鎮痛・消炎作用を均等に持ち、効果が現れるのも早く幅広い痛みに良く効きますが、胃腸への負担が強いため胃薬との併用をするか、胃が弱い方は内服を控える必要があります。
- 主な市販薬:ロキソニンS・エキセドリンLOX・バファリンEXなど
- アスピリン(アセチルサリチル酸)
- 抗炎症作用が強く、血管内で血液が固まるのを防ぐ作用もあります。軽度から中等度の痛みに効果があるとされています。
- 主な市販薬:バファリンA・ケロリンなど
- イブプロフェン
- 解熱・鎮痛・抗炎症作用が強く、副作用も少ないため鎮痛剤の中でも使いやすい薬です。子宮への移行が早い事から他の成分と比較すると生理痛への効果が期待できます。
- 主な市販薬:イブA錠・イブクイック・バファリンプレミアム・ナロンエース・リングルアイビー・ノーシンピュアなど
- イソプロピルアンチピリン
- 痛みのもととなるプロスタグランジンの生成を抑え、痛みや腫れを抑えます。作用は強めですがピリン系に属しているため、アレルギー体質の方が内服する場合は副作用などに注意が必要な薬です。
- 主な市販薬:セデスハイ
- アセトアミノフェン
- 子供や赤ちゃんも安心して飲む事ができる作用の穏やかな解熱鎮痛薬です。皮膚の血管を拡げて熱を放散させたり、痛みの感受性を低下させる作用があります。効果が現れるのも早いですが、効果が無くなるのも早いのが特徴です。
- 主な市販薬:ノーシン・タイレノールAなど
- ジクロフェナク
- 解熱鎮痛作用を持つ成分では最も効果が強い事がわかっていますが、副作用も強く現れる事が多く、ジクロフェナクを含む頭痛向けの内服薬は現時点で販売されていません。湿布やスプレーなどの外用薬は市販されています。
- エテンザミド
- アスピリン(アセチルサリチル酸)と同系統の成分ですが、子供でも使用できるのが特徴です。
- 主な市販薬:新セデス錠・ノーシンホワイトなど
市販されている頭痛薬でも副作用はある?
市販薬は処方薬に比べて副作用の出現が少ないと言われていますが、全く副作用が出ないという訳ではありません。効果に個人差があるように副作用の出現にも個人差があります。また、その日の体調やその人の体質も副作用に影響するので注意しておかなければなりません。一般的な頭痛薬に多いとされる副作用についてまとめてみますね。
胃痛・胃部不快
ロキソプロフェンやイブプロフェンは、解熱・鎮痛・抗炎症作用が強い反面、胃への負担もかかりやすい薬です。ほとんどの市販薬は胃を守る成分も一緒に配合されていますが、心配な場合は、胃薬も一緒に併用した方が良いでしょう。
また、胃腸の不調を感じた場合は服用を止めて様子を見て、それでも症状が治まらない場合は医療機関の受診をするようにしましょう。
眠気
頭痛薬には眠たくなる成分が含まれている薬とそうでない薬があります。薬を飲んだ後に休息できる環境にある場合は眠たくなる成分を含んだ薬でも良いですが、薬を飲んだ後も勉強や仕事、運転などを継続しなければならない場合などは眠たくなる成分を含まない薬を選択する必要があります。
代表的な眠たくなる成分は「アリルイソプロピルアセチル尿素」という成分で、脳の興奮を抑え眠気を誘発するため、薬の説明書には乗り物や機械類の操作は避ける必要があると書かれています。依存性もあるため長期的な内服も控えるようにしましょう。
薬物乱用頭痛
薬物乱用頭痛とは、日常生活の中でこまめに頭痛が起こり、その都度鎮痛剤を内服する事によって逆に頭痛が慢性化してしまう症状の事を言います。「頭が痛くなりそうだから、予防的に薬を飲んでおこう」と頻繁に薬を飲んでいると、自然と内服する薬の量が増えたり、効果を感じられなくなり、最終的には薬によって頭痛が引き起こされるケースもあります。
薬物乱用と聞くと実感が沸かない方もいると思いますが、診断基準として【頭痛があり月に15日以上鎮痛剤を内服している場合】に薬物乱用頭痛と診断されます。
薬物乱用頭痛にならないためにも、慢性的な頭痛に悩まされている場合は原因を突き止め改善を図る事ができるように専門の医療機関を受診し、1度医師に相談すると良いでしょう。
市販薬との飲み合わせについて
処方薬の場合は効果が強い反面、飲み合わせに注意が必要な薬も多いですよね。それは市販薬にも言えるのでしょうか。市販薬を飲む際の飲み合わせの注意点についてまとめてみますね。
- 風邪薬
- 市販されているほとんどの風邪薬には、喉の痛みや腫れなどを抑えるために消炎鎮痛剤が含まれています。そのため、頭痛薬に含まれる成分と重複してしまい副作用が出現する確率が高くなってしまうので併用しないように言われているんですね。具体的な副作用の症状は、食欲不振・胃部不快・胃痛・嘔気、嘔吐などがあります。
- ワーファリンなどの抗凝固薬
- 病院で処方されるワーファリンには血液を固まりにくくする働きがあります。風邪薬や頭痛薬に含まれるアスピリンという成分は同じような働きをするため、併用すると出血した時に血液が止まらなくなってしまう恐れがあります。
- カフェイン
- 頭痛薬に限った事ではありませんが、薬を飲む時はきちんと水かぬるま湯と一緒に飲んでいますか?コーヒーなどに含まれるカフェインは交感神経を活発にし、脳を緊張させる効果があるため摂取する事で覚醒作用が働きます。
- そのためカフェインと一緒に頭痛薬を服用すると、脳へ負担がかかってしまいかえって頭痛を悪化させる原因になり兼ねませんのでコーヒーと一緒の服用は止めましょう。
市販されている頭痛薬を子供に飲ませる時の注意点は?
子供が頭痛を訴えた場合、痛みの程度を判断するためにすぐ薬に頼らず様子を見る方が多いと思いますが、経過をみても頭痛が治まらない場合は薬を飲ませる選択肢も出てきますよね。そんな時に子供に大人が飲んでいる頭痛薬を飲ませても問題はないのか、うまく飲ませる方法はあるのかなどについてまとめますね。
一般的に子供に使用できる薬についてですが、小児については鎮痛薬と解熱薬は同じものが使われます。子供が使っても安全性が高い成分はイブプロフェンとアセトアミノフェンになりますので、飲ませる場合は必ず成分を確認するようにしましょう。
また、子供は痛みをうまく伝えられない可能性がありますので、どの程度の痛みなのか・他に症状はないのかなどをしっかり大人が判断し、症状が強く出ている時のみ頭痛薬を使用するようにしましょう。
大人の薬しか手元にない場合は、子供の年齢や体型にもよりますが半分~1/3量にして内服させましょう。可能であれば、常備薬として子供用の頭痛薬(鎮痛剤)が市販されていますので、事前に購入しておくといざという時にすぐに飲ませてあげられますよ。
薬を嫌がってなかなか飲んでくれない子供の場合は、粉末や錠剤など飲んでくれる形状の薬を選択するか、ゼリーやジュースと一緒に飲ませましょう。どうしても飲んでくれない場合は無理に飲ませようとしなくても大丈夫です。頭痛以外の症状が出たり、普段の様子と違うと感じた場合は早めに医療機関を受診し、この時に薬について担当医師に相談しても良いですね^^
市販薬を飲んでも頭痛が改善しない場合はどうしたらいいの?
人によって痛みの程度は違いますが、頭痛って辛いですよね。中には日常生活に支障をきたすまで頭痛に悩まされている方もいると聞きました。そんな時に少しでも症状を抑えるために頭痛薬を内服する方は多いと思いますが、どんな薬を飲んでいますか?
自宅に頭痛薬を常備している方や、常に頭痛薬を持ち歩いている方もいるかと思いますが、その薬が効かない場合、「薬が効かないのは病気!?」と不安になる事もあるでしょう。
頭痛薬を内服しても効果がない場合どうしたらいいのかと言うと、少し横になったり目をつぶって休息する事が大切です。薬に頼りすぎている事が原因で頭痛が引き起こされている可能性もあるためです。また、血行不良が原因の頭痛もありますので、ストレッチをするのも効果的と言えます。
一般的に、偏頭痛の場合は安静にしてこめかみ部分を冷やし、緊張型頭痛の場合は蒸しタオルなどで温めるのが効果的と言われていますが、自分がどの頭痛かわからない場合は早めに頭痛外来もしくは他の診療科でも大丈夫なので原因を明確にする事が大切です。
まとめ
市販の頭痛薬についてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。余談ですが私も頭痛持ちで、いざという時にすぐに薬を飲めるように常に持ち歩いています。薬を飲んですぐに頭痛が和らげばいいですが、薬を飲んでも効果がいまいちな時もありますよね?
そんな時に私はどうしているのかと言うと、成分の違う薬を被せて飲むようにしています。もちろん頭痛薬は胃に負担がかかりやすいので胃薬も一緒に飲みますが、この飲み方について薬剤師に確認したところ「あまり大きな声では言えないが、ここぞという時なら良い」との事でした(笑)
薬によって作用する場所が違ったり、効果が出るまでの時間が違うので、効果がないからと言って同じ薬を何錠も飲むよりはこの方法の方が効果的なようです。ですが、あくまで一時的な方法として知っておいて下さいね。